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妊娠・育児理由での退職者を戦力化する制度を作ろう!再雇用者評価処遇助成金とは?

結婚前に長く働いていて、出産・育児を機に退職してしまう女性は、H28年度の男女共同参画白書によると約6割もいるそうです。驚くべき数字ですよね。しかし、子育てがひと段落したら彼女たちはまた働きたいと思っているのです。そして、企業側も一から何も分からに人を育てるよりは教育面や経験面が魅力的なため、再雇用については柔軟な姿勢で取り組む企業も増えています。

今回は、妊娠・出産・育児および介護を理由に1度退職した社員を再雇用することでもらえる再雇用者評価処遇助成金についてご紹介していきます。なお、妊娠・育児理由での退職者ではなく、高齢者の再雇用については「65歳超雇用推進助成金」がありますので、こちらの記事をご参照ください。

 1.再雇用者評価処遇助成金は「両立支援等助成金」の中の1つ

再雇用者評価処遇助成金は、正式に言うと再雇用者評価処遇コースという名称です。厚生労働省が支給する「両立支援等助成金」という助成金の中の1つのコースとして位置づけられています。

両立支援等助成金は介護と仕事、女性と仕事、定年と仕事など〇〇と仕事を両立させるというテーマで、現在全部で以下6つのコースがあります。

【子育てと介護を支援するコース】

・事業所内保育施設コース ※H28年4月から新規の受付を停止しています。

・出生時両立支援コース

・介護離職防止支援コース

・育児休業等支援コース

【出産・育児等を理由に退職された方の再雇用を支援するコース】

・再雇用者評価処遇コース

【女性の活躍を推進するコース】

・女性活躍加速化コース

 

今回の記事では、この中の「再雇用者評価処遇コース」についてスポットを当てていきたいと思います。

2.いくらもらえるの?

両立支援等助成金の他のコースでは、1事業主につき1回までしかもらえない助成金がありますが、再雇用者評価処遇コースでは1事業主につき5名まで助成金がもらえます。

もらえる助成金の額は、申請する事業主の規模や再雇用の何人目であるかにより、以下のように異なります。

 

中小企業 中小企業以外
再雇用1人目 38万円<48万円> 28.5万円<36万円>
再雇用2~5人目 28.5万円<36万円> 19万円<24万円>

※<カッコ>内の数字は、生産性要件を満たした場合に支払われる額です。

生産性要件については、厚生労働省のホームページ 生産性を向上させた企業は労働関係助成金が割増されます をご参照ください。

 

例えば、会社Aは中小企業で5人の再雇用を行ったとします。この場合、支払われる額の計算は

 

38万円 + 4 × 28.5万円 = 152万円です。

 

152万円とは、非常に大きな金額ですよね。しかし、この額を一気にもらうことはできません。

 

2.助成金は2回に分けて半額ずつ支給

 

会社が再雇用したあとに、すぐ退職させた場合などには助成金は支給されません。助成金が支給は、以下の期間ごとに支払われます。

 

・継続雇用6か月後

・継続雇用1年後

 

例えば中小企業の会社AがBさんをH29年5月に再雇用1人目として雇ったとしましょう。もらえる助成金の額は38万円です。

BさんはH29年5月から勤めをスタートしたので、半年後はH29年11月です。再雇用者評価処遇コースに申請できるのは、Bさんの継続雇用6か月後の2か月後ですので、会社Aは11月~12月までの間に助成金を申請すれば、半額の19万円がもらえるという仕組みです。

2回目の助成金をもらう時も同様です。Bさんの勤務期間がさらに半年経過したら、その後2か月間が助成金申請できる期間となります。

 

3.中小企業とは?

ちなみに、何をもって中小企業かそうでないかの目安についてお話します。厚生労働省の定める中小企業とは、事業の種類により以下となります。

 

小売業

(飲食店)

サービス業 卸売業 その他の業種
資本または出資の額 5千万円以下 5千万円以下 1億円以下 3億円以下
常用労働者 50人以下 100人以下 100人以下 300人以下

 

4.支給要件は?

支給要件とは、助成金をもらうための条件のことです。以下2つの条件いずれも満たすことが必要です。

①妊娠・出産・育児または介護を理由とした退職者について、退職前の勤務実績等を評価し、処遇の決定に反映させることを明記した再雇用制度を導入する。

②上記制度に基づき、離職後1年以上経過している対象労働者を再雇用し、無期雇用者として一定期間継続雇用する。

平成29年度 両立支援等助成金のご案内

上記②について補足しますと、再雇用時点ではパートとしての採用で問題ありませんが、採用日から1年経過するまでに無期雇用契約を終結し、雇用保険被保険者として継続雇用される必要があります。

 

また、助成金の対象となる再雇用日ですが、再雇用制度の施行日である平成29年4月1日以降に再雇用される労働者が対象となります。

 

5.どうやって申請すればいいの?

①申請先

申請事業主の人事労務管理の機能を有する部署が所属する事業所が所在の管轄労働局へ申請します。

 

例えば、会社Aの本社は東京都港区で人事部も本社にあったとしましょう。その場合は、港区の労働局宛てに申請書を提出します。

 

②申請書類

申請書類は、対象の再雇用者の勤務期間(6か月ごと)が終了した翌月から2か月以内に、厚生労働省のホームページより以下2種類の書類をダウンロードし、事業所所在の管轄労働局所長宛てに提出します。

 

・両立支援等助成金(再雇用者評価処遇コース)支給申請書

・再雇用に関わる申立書

 

その他の提出書類は、以下となります。

 

・労働協約または就業規則及び関連する労使協定

・支給対象労働者の再雇用に関わる採用後、機関の定めのない雇用契約の終結日から6か月間の就労実績等が確認できる以下の書類

  • (1)労働条件通知書、就業規則、企業カレンダーなど
  • (2)タイムカード、または出勤簿
  • (3)賃金台帳

・申請事業主が、支給対象労働者が退職した事業主の関連事業主である場合は、これを証明する資料

 

まとめ

育児や出産関連の助成金に比べあまり知られていない助成金ですが、再雇用者5名までもらえる助成金ですので企業にとっても総支給額は大きいのではないでしょうか。子育て世代の共働きを応援し、なおかつ企業の即戦力としても魅力的な再雇用者評価処遇コース。年度内でも予算内で締め切られてしまうこともあります。

ご興味のある方は是非厚生労働省のホームページも併せてチェックしてみてください。