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変更点をチェック!人材開発支援助成金 制度導入コースとは?

企業にとって、人材の育成は大きな課題の一つです。良い人材が適材適所で活躍できれば、企業の業績もそれに準じて伸びてきます。逆に、人材が育たなければ、企業の業績も次第に落ちていくことでしょう。

今回の記事では、厚生労働省の支給する人材開発支援助成金の制度導入コースについて、概要をご紹介していきたいと思います。

1.キャリア形成促進助成金がリニューアル

厚生労働省は以前から、以下のように企業内人材育成開発を助成金という形で支援してきました。大前提として、助成金の対象は雇用保険被保険者となります。

 

そして、H29年度新たに人材開発支援助成金としてスタートします。一体どのような助成金なのでしょうか?

 

2.人材開発支援助成金の概要

助成金の目的

人材開発支援助成金は、企業内の従業員における継続的なキャリア育成の促進を狙いとした助成金です。職務に関連した知識や技能の普及に尽力した企業に支給されます。

 

厚生労働省のホームページからダウンロードできる「人材開発支援助成金 制度導入活用マニュアル」を見ますと、この助成金の目的が以下のようなヒトとカイシャ、そして日本社会の好循環を目指していることが分かります。

 

①人材の育成に力を入れる

②能力アップでモチベーションアップ

③従業員がすぐ辞めずキャリアアップ

④会社の業績もアップ

⑤日本経済も安定

 

継続的で生産性の高い人材育成がポイント

この助成金のポイントは、制度導入です。社員に試験を受けさせて終わり、という一過性のものではなく、継続的にキャリアを育成できるような仕組みを会社内に導入するということに重点を置いています。

また、厚生労働省は、複数の助成金において一定の生産性を高めた企業に割り増し支給していますが、この助成金でも生産性要件をクリアすると、47.5万円よりも12.5万円上乗せされる60万円が支給となりますね。

 

要は、専門性の高い従業員を育成し、本人もやる気を持ち続けられる制度を導入してくれたら代わりに助成金を支給するよ、というような内容です。

人材開発支援助成金では、『訓練関係助成』と『人材育成制度導入関係助成』の2つに分けられ、さらに、『訓練関係助成』が2コース、『人材育成制度導入助成』が2コースの計4コースに分類されています。

 

3.いくらもらえるの?

なお、いずれの助成金ももらえるのは1つの事業主で1回のみです。

それでは、対象となる4つのコースを詳しくみていきましょう。

4.訓練関係の助成メニューとは?

H28年度のキャリア形成促進助成金では、重点訓練コース・雇用型訓練コース・一般形訓練コースの3つの訓練コース(10種類の訓練分類)でしたが、人材開発支援助成金では「特定訓練コース」と「一般訓練コース」の2つに括られました。上記にも記載しましたが、特定訓練は訓練の効果が高く、労働生産の向上につながるような訓練、一般訓練は、特定訓練以外の訓練となります。労働生産性が向上していると判断された企業の場合、助成率や助成額が従来よりも高くなります。

(1)助成対象

助成の対象となる訓練は

①事業内訓練

②次に掲げる施設に委託して行う事業外訓練

の2つです。訓練の詳細は以下に通りです。

(2)受給手続きの流れ(特定訓練コースのうち、特定分野認定実習併用訓練・認定実習併用訓練・中高年齢雇用型訓練は除く)

上記の流れは、特定訓練コースの「特定分野認定実習併用職業訓練」「認定実習併用職業訓練」「中高年雇用型訓練」を除く特定訓練コースと一般訓練コースのです。

特定訓練コースの「特定分野認定実習併用職業訓練」「認定実習併用職業訓練」「中高年雇用型訓練」は、手順に違いがありますので注意してください。

5.制度導入コースとは?

H28年度のキャリア形成促進助成金では、制度導入コースという括りで、6つの制度がありましたが、人材開発支援助成金では、従業員のキャリア形成につながる制度と、能力検定の2つの制度になりました。

 

(1)キャリア形成支援制度導入コース

キャリア形成支援制度導入のコースには、以下2つの制度があります。

 

①セルフ・キャリアドッグ制度

②教育訓練休暇制度または教育訓練短時間勤務制度

 

1つずつみていきましょう。

 

①セルフ・キャリアドッグ制度とは?

労働者に、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルテイングを定期的に行う制度のことです。

では、ジョブ・カードとは何でしょうか?ジョブ・カードとは、自分の職務経歴・免許・資格・学習・訓練歴、そして仕事ぶりの評価ごとに記入できる総合的キャリアプランシートのことです。ジョブ・カードは、既にハローワークでも導入されており、転職される方などで既にジョブ・カードに記入したことのある方も多いと思います。

つまり、就職する時に提出する「履歴書」+「職務経歴書」がありますが、それに「訓練歴」や「社内の評価」が加わったシートです。ジョブ・カードの特徴は、時系列で職務内容を記入できるので、入社してからどのように社員が過ごしてきたかを、キャリアコンサルタントは一目で分かります。

従業員はジョブカードに記入し、キャリアコンサルタントはそれを見てキャリアコンサルティングを行います。

ジョブカードを導入せずとも、このように定期的に社員と面談する機会を設けている会社も多いと思います。今やっていることを、セルフ・キャリアドッグ制度に切り替える事のメリットとは一体何でしょうか?

セルフ・キャリアドッグ制度のメリット

(1)自主的に仕事ぶりを振り返る

セルフ=Selfとあるように、この制度のメリットは従業員の自主的な振り返りを促すことにあります。研修は、いくらやってもやる気のない人には頭に入ってこないもの。

自分の頭で、今までのキャリアや評価・能力を定期的に振り返り、足りない部分を補うには何が必要か?と考えることができます。

(2)新規採用者の定着や育休中の社員の復帰時に役立ちます

この制度は、現役で働く中堅従業員のキャリア育成の為だけではなく、新卒や新規の中途採用者、育休中の社員の復帰時にも硬直を発揮します。

(3)キャリア・アドバイザーという専門家を社内に持つ

この制度でキャリアのアドバイスするのは、この制度でキャリアコンサルティングを行うものは、上司であれば誰でもいいわけではありません。以下の国家資格などをもつ者ではなくてはなりません。

<保有資格>

  • 国家資格キャリアコンサルタント
  • キャリア・デベロップ・アドバイザー
  • ジョブカード作成アドバイザー

 

そのため、専門的な知識を持つ人がアドバイザーになってくれるという強みが組織に生まれます。キャリアアドバイスについて、何となく、雰囲気で行っているのではなく、総合的にみた専門的なアドバイスを期待できます。もらえる助成金の一部を使い、社内でキャリアコンサルタントの有資格者を輩出してもよいですね。

 

②教育訓練休暇制度 または教育訓練短時間勤務制度とは?

大雑把に言うと、会社を休むか早退や遅刻をしていいから、仕事のキャリアアップに必要な訓練を受けていいよ、という内容の制度です。

会社に在籍しながら、スキルアップのための勉強を退社後にしている人、土日を惜しんで資格取得をしている方も多いことでしょう。資格取得のお金は会社が払うよ、という企業は結構ありますが、この制度を使えば、資格取得のための休暇や短時間勤務を認めることができます。

会社にとっても、従業員にとっても魅力的な制度ですね。

(2)職業能力検定制度導入コースとは?

技能検定・社内検定を導入し、実施した場合に支払われるコースです。また、既存の検定だけではなく、業界検定制度を新たに作成し導入した場合にも適用されます。

①どんな検定があるの?

技能検定は、以下にあげるジャンル内で都道府県能力開発協会が実施する112職種と、民間の試験期間が実施する職種15職種があります。

建設関係

窯業・土石関係

金属加工関係

一般機械器具関係

電気・精密機械器具関係

食料品関係

木材・木製品・紙加工品関係

プラスチック製品関係

貴金属・装身具関係

印刷製本関係

その他

その他には、ウェブデザインやキャリアコンサルティング、ピアノ調律やファイナンシャルプランナーなど多岐に渡す職種が挙げられます。

②導入方法

就業規則に、技能検定合格報奨金制度の内容を規定します。また、技能検定実施計画の計画書を作成します。

次に、それらを管轄の労働局へ提出します。それらが認定されれば、制度の導入を開始します。

技能検定の合格者には、合格報奨金を支給します。最低適用人数を満たす場合、助成金の支給申請ができます。

最低適用人数とは?

このコースでは、以下の最低適用人数が規定されています。

雇用する被保険者数は、単純に企業(事業所)内で雇用保険に加入している従業員の数です。これに対し、最低適用人数とは技能検定に合格したら報奨金を与える人数を指します。

例えば、会社Aの雇用保険の被保険者数は100名で、正社員はそのうち55名を適用します。

上記の表に当てはめると、雇用保険の被保険者数が50人以上であれば最低適用人数は5名でよいので、会社Aは、5名以上に実施すれば助成金を申請できるということになります。

まとめ

キャリア・コンサルタントとジョブ・カードを使ったセルフ・ドッグキャリア制度と技能検定への報奨金という2つの導入でもらえる助成金をご紹介致しました。社員のモチベーションや技能がアップし、助成金ももらえるので企業にとっても非常にメリットのある助成金と言えます。

時短を含め、日本の働き方の改善が求められている今、是非この人材開発支援助成金を検討してみてはいかがでしょうか?