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社内でストレスチェックしていますか?ストレスチェック助成金とは

「ブラック企業」「うつ」「自殺」などの言葉は労働に関するネガティブなニュースを度々賑わしています。そんな中、個人単位ではなく企業単位でのストレス対応の必要性が高まっています。

ストレスチェックとは一体どのようなものなのでしょうか?また、ストレスチェック助成金でもらえるお金はいくらなのでしょうか?今回の記事では、2年前(平成27年)より実施中ののストレスチェック助成金についてお話していきます。

 1.労働安全衛生法の改正が背景

ストレスチェック助成金は、平成26年(2014年)の労働安全衛生法改正により生まれた助成金です。助成金は主に厚生労働者が支給するお金ですが、労働安全衛生法という法律も管轄が厚生労働省のため、「労働安全衛生法の改正=イコール労働安全衛生法関連の助成金の新設」という関係が生まれたのだと推察します。

さて、その改正ですがどのように改正されたのかみていきましょう。

 「近年、仕事や職業生活に関して強い不安、悩み又はストレスを感じている労働者が5割を超える状況にある中、事業場において、より積極的に心の健康の保持増進を図るため、(中略)事業場における労働者の心の健康の保持増進のための措置(以下「メンタルヘルスケア」という。)の実施を促進してきたところである。」

仕事や職業生活に関して強い不安、悩み又はストレスを感じている労働者が5割を超えるって、もの凄い状況ですね。そんなに悩みだらけだと、生きているのも大変な気がしますがこの数字は果たして何に対する5割なのでしょうか、、。

 「しかし、仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災認定される労働者が、平成 18 年度以降も増加傾向にあり、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することが益々重要な課題となっている。 こうした背景を踏まえ、(中略)心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及びその結果に基づく面接指導の実施を事業者に義務付けること等を内容としたストレスチェック制度が新たに創設された。」

なるほど。精神障害の発病や労災認定者の増加のため、ストレスチェック制度が導入されたという背景があるのですね。

では、ストレスチェック制度とはどのような制度なのでしょうか?

 2.ストレスチェック制度の概要

日本国でのストレスチェック制度の施行は、平成27年(2015年)12月1日にスタートしました。ストレスチェックは、アンケート用紙のような紙またはWEB上で質問に答えるアンケート形式の調査です。制度の内容をみていきましょう。

①50人以上の事業所が対象

50人以上の事業所ということは、中小企業であればほとんどの企業・事務所などが対象ということですね。このストレスチェック制度の実施が広く浸透すると、ブラック企業や藤堂基準法違反企業の数も格段に減っていくのではないでしょうか。

なお、50人未満の事業所については努力義務となっています。

 

②ストレスチェックは医師・保健師などによるもの

ストレスチェックは専門の知識や技能を兼ね添えた医師・保健師などが実施しなくてはいけません。「うちはストレスチェックを従業員にさせると、おそらくストレスだらけだから僕が適当にチェックしよう」というように資格のない社内の人間などが行うのはNGです。

 

③検査結果は医師などから直接本人に通知

ストレスチェックは精神系テストのため、結果もデリケートに取り扱われなければいけません。

高ストレス者の選定基準とは

さて、ストレスが強いか弱いかの判定基準ですが、チェック表に基づき「心身の自覚症状」の合計点が高いものや評価点数の合計が一定以上かつ「職場のストレス原因」「周囲のサポート」の合計点数が低いものが選定されます。

④検査後、医師による面接指導も

検査結果は本人に通知されますので、事業主はこの検査結果を知りません。しかし、本人からの希望があった場合は医師による面接指導を執り行わなくてはいけません。

個人的には、「医師による面接指導が本人からの希望」だと中々言いづらい方もいるのではないでしょうか?せっかくストレスチェックをするのですから、ストレスチェックの結果がマズイ人は医師や保健師の方から事業主に報告⇒強制的に面談、というような流れでないと、実態はあまり変わらない気がします。

 

⑤医師との面談の結果、就業上の措置を講じる

医師と面談後、医師から該当の労働者に対して意見やアドバイスをします。そして、事業主は必要と判断した場合、労働時間の短縮や配置部署の変更など、必要措置を講じます。

このような内容のストレスチェック制度ですが、実施しているのは大企業や一部中小企業といった状況で、まだまだ実施度100%には遠い数字です。実施度を上げるため、厚生労働省はストレスチェック助成金に踏み切りました。

⑥ストレスチェックの結果は毎年労働基準監督署に所定の様式で報告する義務がある

ストレスチェック制度の目的は、うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防ぐことです。そのため、ストレスチェックを実施するだけで終わるのではなく、事業主にはその結果を分析することも求められます。ストレスチェックの個人結果は本人のみに通知さえますが、全体の結果は事業主へ通知されます。

 3.ストレスチェック助成金の支給要件とは

では、どのようにすればストレスチェック助成金をもらえるのでしょうか?

①【条件1】労働保険の適用事業所であること

労働保険とは、労災保険と雇用保険をあわせた総称です。労働保険についての概要は、当サイトの既存記事もご参照ください。

従業員を雇ったら絶対に加入しないとダメ?労働保険って何?

②【条件2】常時使用する従業員が派遣労働者を含めて50人未満であること

前述した通りです。ポイントは、派遣労働者もストレスチェックの対象となっています。

③【条件3】ストレスチェックの実施者が決まっていること

助成金申請をしてから実施者を決めるのではなく、申請前に実施者を決める必要があります。これは後ほども出てきますが、社内の労働者や使用者であってはいけません。

④【条件4】ストレスチェック後の面接指導を実施する産業医資格を持った医師と契約する

前述しましたが、ストレスチェックは医師又は保健師などの有資格者でなくてはいけません。さらに、契約するのはストレスチェック後の面接指導も担当できる「産業医資格」をもった医師という条件もあります。

産業医とは一体何でしょうか?

産業医とは

「事業場において労働者が健康で快適な作業環境のもと仕事ができるよう、専門的立場から指導・助言する立場の医師」

を指します。

⑤【条件5】ストレスチェックの実施及び面接指導等を行う者は、自社の使用者・労働者以外の者であること

ストレスチェックをする意味は、労働をしながらのストレスがあるかどうかを判断することです。それなのに、ストレスの張本人である対象労働者の上司などがストレスチェックをしては意味がありません。ストレスチェックの実施者は、当該事業所と関係のない医師または保健師などが実施します。

4.助成金額について

この助成金の支給額は他の助成金と比べかなり少額です。その代わり、他の助成金のように支給要件が厳しいわけでも難解な書類作成も必要ありません。

ストレスチェックの相場は、紙なのかWEBなのかなどで差がでますが、概ね実施人数1名あたり300円~1,000円ほどです。そのため、1名あたり500円以下のストレスチェックを選んだ場合は、実質ゼロ円でストレスチェックができますね。

また、これとは別に医師による面接指導が入る場合は面接1名あたり5,000円~10,000円程度の費用がかかります。ストレスフルな従業員だらけで、何名も面接となった場合費用はかさみますが、そのうち最大2万5千円までは助成金で賄うことができます。

5.申請方法

ストレスチェック助成金の申請方法は、以下の通りです。

6.申請書類は11種類

申請に必要な書類は少なくありません。以下のように全部で11種類の書類と添付書類が必要です。

 

■提出書類

・ストレスチェック助成金支給申請書(様式第1号)

■添付書類

・産業医との契約書(写)

・産業医の要件を備えた医師であることを証明する書類(写)

・労働保険概算・確定保険料申告書等(写)

・労働保険料一括納付に係る証明書(該当事業場のみ)

・ストレスチェック実施者の要件を備えていることを証明する書類(写)(該当者のみ)

・ストレスチェック実施報告書(様式第2号)

・ストレスチェックに係る医師による活動報告書(様式第3号)

・ストレスチェック実施者へ支払った費用の領収書(写)

・産業医へ支払った費用の領収書(写)

・ストレスチェック助成金支給申請チェックリスト 兼 同意書(様式第4号)

・事業場宛ての返信用封筒(82 円切手貼付)

7.実施期間

この助成金は、現在1年ごとの募集となっています。現在募集中のストレスチェック助成金は、以下の申請期限がありますので注意しましょう。

 ・実施対象期間

平成 29 年4月1日から平成 30 年 3 月 31 日まで

・申請期間

平成 29 年4月15日から平成 30 年6月 30 日まで(消印有効)

※届出期間中でも登録の受付を終了することがありますのでご了承ください。

※ストレスチェック実施後6か月以内に申請してください。

その他、詳しい申請方法は以下リンクをご覧ください。「ストレスチェック」実施促進のための助成金の手引き(平成298年度版)https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/stresscheck/download/H2904sc_josei_tebiki_5.pdf

 

まとめ

ストレスチェック制度が法律により定められていると知らない事業主もいるのではないでしょうか?ストレスチェックはネットでも簡単に業者を見つけられるため、実施自体は難しくありません。また料金も高額ではないため、助成金と合わせるとかなり手ごろな値段でのストレスチェックが可能です。