助成金ドットコム

職場意識改善助成金(勤務間インターバルコース)とは?

職場意識改善助成金の中にはいくつかのコースがあり、それぞれのコースで支給の対象となる取り組みや支給される金額が違います。

今回は平成29年1月に新設予定の「勤務間インターバルコース」についてご紹介します。勤務間インターバル制度は世間で問題視されている残業時間について定める制度です。近年、従業員の残業が当たり前になってしまっている企業も多いかと思います。

しかし長期的な目で見た場合、毎日の長時間残業が継続するとかえって従業員が疲弊し、仕事に悪影響が出てしまう可能性もあるでしょう。

そこで「勤務間インターバル制度」を導入することで、よりよい就労環境をつくることができます。

1.勤務間インターバル制度とは

勤務間インターバル制度は、前日の業務を終え退社した時間から翌日の始業時間までの間を一定期間開けなければならない、という制度です。

これまでの労働基準法では、労働時間の上限を決めることで法外に長い時間の労働を規制してきましたが、「勤務間インターバル制度」では定められた時間の休息時間を確保し長時間の労働を制限しています。

例えば、前日の退社時間が午後22時であった場合、勤務間インターバルの時間が11時間と設定されているため、翌日の始業時刻は11時間後の午前9時になります。

普段の就業時間が8時~17時と定められている場合でも、午前9時の始業が認められ、午前8時から午前9時までの間の1時間分の給料を減給されることもありません。よって前日遅い時間まで残業をした従業員の方もしっかり休息をとり翌日出社することができます。

海外では勤務間インターバル制度を取り入れている企業も多くありますが、日本国内でもすでにいくつかの企業が勤務間インターバル制度を導入しています。

2.勤務間インターバル制度を導入するメリット

近年日本国内では長時間の労働が問題視されています。毎日の残業によって従業員は十分な休息をとることが出来ずに翌日も出社することになります。十分な睡眠や休息が取れていないために従業員の集中力は低下し、結果的に仕事の効率が悪くなってしまう可能性がありますよね。月末や年度末など業務が増えやむを得ず長時間の労働をする場合もあるでしょう。しかし勤務間インターバル制度を導入することで、しっかり休息をとれる従業員は仕事に対するモチベーションを保つことができるでしょう。また長時間の労働による過労やうつ病の問題によって会社を辞めてしまう従業員が多くいる企業では、離職率を下げる効果があるかもしれません。また、平成29年1月より、勤務間インターバル制度を導入する中小企業は助成金を受給することができます。

3.勤務間インターバル制度を利用した助成金

勤務間インターバル制度を導入することによって労働時間など従業員の就労環境の改善を行った場合、所定の書類等の準備を行い管轄の労働局に提出し申請をおこなうことで助成金を受給することができます。

(1)勤務間インターバルコースの支給対象となる事業主

・労働者災害補償保険を適用している事業主

・以下にあてはまる中小企業の方

・以下のいずれかに当てはまること

・勤務間インターバル制度の導入により設定された労働時間の設定に積極的に取り組み、制度の導入による成果が期待できること

(2)勤務間インターバルコースの支給対象となる取組

勤務間インターバルコースでの助成金を受給するためには以下のいずれか1つ以上を実施している必要があります。

・労務の担当者に対する研修

・労働者である従業員に対する研修や周知・啓発

・社労士や中小企業診断士などの外部の専門家によるコンサルティング

・労働時間や時間外労働に関する内容を含んだ就業規則や労使協定などの作成・変更

・労務管理用のソフトウェアの導入・更新

・労務管理ようの機器の導入・更新

・勤務間インターバルコースの導入のために必要な機器などの導入・更新

(3)勤務間インターバルコースを利用する

勤務間インターバルコースを利用して助成金を受給する場合には「勤務間インターバル制度」を導入する必要があります。勤務間インターバル制度の導入方法や勤務間インターバルコースの申請の流れについて確認していきましょう。

①勤務間インターバル制度の成果目標を設定する

勤務間インターバルコースを利用する対象となる取組は、事業主が事業実施計画で指定しているすべての事業場で、休息時間が9時間以上11時間未満、または11時間以上の勤務間インターバルを導入することが必要です。具体的に以下のいずれかの実施が必要です。

・新規の導入

勤務間インターバル制度の導入をしていない事業場で、所属する従業員の過半数を対象とし休息時間が9時間以上の勤務間インターバル制度を新規導入する。

・適用範囲を拡大する

休息時間が9時間以上の勤務間インターバル制度を導入している事業場で、対象の従業員の数が半数に達していない場合、制度の適用範囲を拡大し事業場に所属する従業員の過半数を対象の従業員として制度の適用範囲を拡大する。

・時間を延長する

休息時間が9時間未満の勤務間インターバル制度を導入しており、事業場での従業員の半数以上が対象である場合、休息時間を2時間以上延長し休息時間を9時間以上に延長する。

上記のうちいずれかを実施し、勤務間インターバル制度を導入し実施します。

②勤務間インターバルコース申請の流れ

勤務間インターバルコースの申請を行い助成金を受給するためにはいくつかの手続きを行う必要があります。

・事業実施承認申告書を管轄の労働協へ提出し、勤務間インターバル制度の実施における承認の通知を受け取る。この際に提出する事業実施承認申告書には、勤務間インターバル制度の内容を含む事業実施計画の添付が必要。

・勤務間インターバル制度の導入や従業員の研修、就業規則の作成や変更等の事業を実施する。

・提出した事業計画書の内容を踏まえ改善事業を実施したうえで、勤務間インターバル制度の導入が完了したときから1ヶ月以内、または2月の末日のいずれか早い日に助成金の支給申請書を管轄の労働局へ提出。

・管轄の労働局での受付・審査が終了し、支給が決定した場合には助成金支給の手続きを行い、助成金を受給する。

③勤務間インターバルコースの申請に必要なもの

1・事業実施承認申請書

2・事業実施計画

3・登記事項証明書

4・労働災害補償保険適用の事業主であることが確認できる書類(労働保険関係成立届または労働保険概算保険料申告書など)

5・中小企業の事業主であることが確認できる書類(登記事項証明書や労働保険関係成立届などの資本金の額または出資の総額や従業員の数を記載したもの)

6・事業開始前の勤務間インターバル制度の導入状況を確認できる書類(就業規則や労使協定の写し)

7・事業を実施するために必要な経費などの見積書

8・前年度および前々年度の労働保険料の納付・領収証書

上記の書類を番号順に整え、すべてをそろえたうえで提出する必要があります。書類がそろっていない場合には申請を受け付けてくれないので注意しましょう。

④勤務間インターバルコースの受給金額

勤務間インターバル制度の実施に要した経費のうち、会議費や備品費、必要機器の購入費や委託費などを助成の対象の経費とし、助成対象の経費の合計額に補助率(3/4)をかけた金額を受給することができます。ただし、定められた上限額を超える場合には上限額が支給されます。勤務間インターバルコースの助成金受給額は設定された休息時間等によって上限額が異なるので以下の図で上限額を確認しましょう。

まとめ

今回は職場意識改善助成金のひとつで平成29年1月より実施される勤務間インターバルコースについてご説明しました。勤務間インターバル制度では会社の就労環境を見直すことで、従業員の方の健康的な生活を守ります。また休息時間の設定によりしっかりと休むことができるようになれば、長い労働時間が原因での離職が少なくなるでしょう。