助成金・補助金の申請書の記入例を解説します~キャリアップ助成金の場合

助成金・補助金の申請書の記入例を解説します~キャリアアップ助成金の場合 更新日:2018.08.14 公開日:2018.09.27助成金・補助金 – 助成金の基礎知識
助成金・補助金の申請書の記入例を解説します~キャリアップ助成金の場合

助成金・補助金の申請書の記入例を解説します~キャリアアップ助成金の場合

助成金・補助金が欲しいけど、申請書の書き方が分からない!こんなお悩みを持つ事業主の方はたくさんいらっしゃいます。

できれば自分で申請したい、でも書き方はこれでいいのだろうか?とお悩みの方へ向け、今回の記事ではキャリアアップ助成金の申請書の中で文章を工夫すべき部分のみ(名前や住所ただ書く部分は省略)解説します。ちなみに、申請書については以下のページよりダウンロードできます。

申請様式のダウンロード(キャリアアップ助成金)

※上記URLをクリックすると、キャリアップ助成金の申請書をダウンロードできる厚生労働省の公式ページにリンクします

1.キャリアアップ管理者の業務内容

キャリアアップ助成金は「キャリアアップ計画」という計画を作成し、管轄の労働局長の認定を受ける必要があります。

キャリアアップ管理者とは事業所内で一定の知識や経験を持つ人のことで、事業主が「君は今日からキャリアアップ管理者だ!」と任命することができます。厚生労働省の募集要項には以下↓のように規定されています。

「ガイドラインに規定する「キャリアアップ管理者」をいい、有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として、必要な知識および経験を有していると認められる者をいいます。」※引用:キャリアアップ助成金のご案内

キャリアアップ助成金をもらうには、このキャリアアップ管理者の氏名・役職・配置日、そして業務内容をキャリアアップ計画に記載しなければいけません。

業務内容については、「従業員のキャリアアップの管理」について書けばいいのです。まずは、あなたの事業所におけるキャリアアップとは何か?を考えてから紙に書き出してみましょう。

(例)事業所におけるキャリアアップとは何かを考えて紙に書く!

  • 入社直後→本の場所やジャンルを知るために、まずは棚の整理からスタート
  • 入社2日目→レジの基本操作を習い、先輩の横につき袋に本を入れて渡す業務
  • 入社1週間後→自分でレジを打つ
  • 入社2週間目→レファレンスコーナーについて指導を受ける
  • 入社3週間目→棚卸しを教わる。ジャンル担当として「ビジネス本」を任される。
  • 入社1年後→フロア担当としてリーダーになる

これはあくまで例ですが、1週間、1か月、3か月、半年、1年、2年というように、労働者がスキルアップしていく段階や必要な作業について考えていけば、おのずとキャリアアップ管理者の行う業務が明らかとなります。

業務内容の記入例の例として、以下のような文面で記入します。

~キャリアアップ管理者の業務内容~(例)

キャリアアップ管理者は以下の要領で新規・既存労働者の段階的なキャリアアップを図ります。

・入社直後~1年→本のジャンル・売り場の構成・基本動作、ジャンル担当、POP制作、レフェレンスコーナーの指導、売り場の構成についての指導

・入社2年目→フロア担当として新人アルバイトの育て方を指導、出版社との取引や返品についての伝授

・入社3年目→売上や原価などの経理について指導

これら各項目を表にして達成おきに細かく昇給することで、持続的なモチベーションとスキルアップを達成します。

ちなみに、実際のフォーマットはWordですのでもっと記載欄が小さいのですが、改行すればもっと欄を大きくすることは可能です。しかし、あまりダラダラしている文面はよろしくないのでもう少しブラッシュアップした方がよいかもしれません。

2.目標

目標とは、現在事業所における懸念点や課題を最初に書き、それを改善するための施策を書けばそれが目標となります。

~目標~(例)

近年、紙媒体の売り上げ減少が社会的に懸念されています。紙媒体のメリットを店頭でアピールし、本屋でしかできないイベントや店員の接客を強化していくことで書店業を盛り上げていく事が目標です。そのため、当社では幅広い本のラインナップと共に豊富な知識と丁寧な接客ができる人材を育てます。

3.目標を達成するために講じる措置

上記で記入した目標を具体的に落とし込むところが、この記載欄です。目標に書いた部分が宙に浮かないよう、しっかりと対応した文章を記入しましょう。

~目標を達成するために講じる措置~(例)

  • 1.紙媒体の魅力をアピール→紙媒体の良さを著名人(〇〇さん)にインタビューし、店頭のポスターに掲載し、フリーペーパーでも配布する。
  • 2.本屋でしかできないイベント→作家〇〇さんのサイン会を開催(〇月〇日、〇月〇日で決定済)
  •  3. 店員の接客を強化→2か月に一度、朝礼時に店員同士の接客を見て感想を言い合う「接客リカバープラン」を導入します。接客について従業員同士の気づきをまとめたものを、更衣室に貼り注意を促します。
  • 4.書店業を盛り上げる→在庫回転率を上げ2018年:売上を前年の1.2倍、2019年:1.3倍、2020年:1.3倍を目標とします。具体的には、グループ店とクラウドで在庫管理するシステムを〇月〇日に導入します。

ここで注意したいのは、できるだけここの部分は数字を入れて具体的にするという点です。また、例のように目標で書いたことをきちんと拾っていること。また、箇条書きにすると見やすくなります。

4.キャリアアップ計画全体の流れ

これまで書いたキャリアアップ計画を総括するのがこの部分です。例えば、こんな記入例はいかがでしょうか。

~キャリアアップ計画全体の流れ~(例)

近年、紙媒体の売り上げ減少が社会的に懸念されています。それに伴い、書店業界全体でも盛り上がりにかけると言えるでしょう。書店員のキャリアアップにおいては、その背景を含め豊富な知識と丁寧な接客、そして出版社との連携と経営管理までできる人材を3年計画で育てます。

まとめ

申請書の文章はなぜか綺麗にまとめようとすればするほど、抽象的になってしまうという悪循環が起こりえます。いきなり本番で記入せず、まずは紙に落書きでもいいので何度も推敲し、わかりやすい文章に仕立て上げましょう。

助成金の申請書の書き方のポイントについては当サイトの以下の既存記事でも解説しています。是非合わせてごらんください。

申請書をうまく書こう!補助金・助成金の申請書の書き方ポイント

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
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