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両立支援等助成金(出生時両立支援コース)を使って子育て男性の離職を防ごう

子育ては家庭と地域だけでなく企業を巻き込むことも必要という風潮が高まっています。出産・子育てそして介護、その度に社員が離職しては、安定的な事業をする上で大きな打撃となります。

今回の記事では、事業所が男性従業員の子育てと仕事の両立に貢献する場合にもらえる助成金についてご紹介します。なお、両立支援等助成金の概要については当サイトの以下記事(少子化に歯止めの効果も?男性の育児休暇取得でもらえる両立支援等助成金とは?)でもご紹介していますので、是非あわせてご覧ください。

1.中小企業子育て支援助成金は廃止!今はこの助成金

助成金を分かりづらくしている大きな理由として、頻繁に名称や制度が変わることがあるでしょう。もちろん、時代に即して細かく制度が変わるのは大変良い事です。しかし、助成金について調べる身としては少々難解です。

あなたが中小企業の事業主だとして、子育て世代の社員のために制度を確立して助成金が欲しいのであれば、今チェックすべき助成金は「両立支援等助成金」です。

以前は「中小企業子育て支援助成金」という助成金もありましたが、現在は「両立支援等助成金」という助成金に変更になっています。両立支援等助成金は現在5つのコースで募集されています。

今回は、両立支援等助成金の出生時両立支援コースについてご紹介しましょう。

2.対象となる事業主の要件

この助成金をもらうには事業主が以下の条件を満たしていなければいけません。

①男性が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取り組みをする

ポイントは、ズバリ男性の育児休業取得の推進です。2018年5月、男性の育児休業取得率が過去最高というニュースが日本経済新聞のニュースで取り上げられ大きな話題となりました。

厚生労働省は30日、育児休業を取得した男性の比率が2017年度は5.14%だったと発表した。前の年度から1.98ポイント上昇し、比較可能な1996年度以来で最高。女性の取得率は1.40ポイント上昇し、83.2%だった。

 女性と比べるとまだまだ取得率は高くありませんが、この助成金の影響が大いにあるのではないでしょうか。日本と似た雇用背景を持つドイツでも以前は6%台でしたが現在は20%を超えているそうです。良い時代の流れですね。ちなみに、厚生労働省では、2020年までに男性の育休取得率を13%にする目標を掲げています。

では、具体的に事業主として男性の育休取得をどのように推進する場合、どのように行動すればいいのでしょうか?要項では、以下のように事業所の行うべき行動を定義しています。

【男性が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取り組みの具体例】

  1. 男性労働者を対象にした、育児休業制度の利用を促進するための資料等の周知
  2. 管理職による、子が出生した男性労働者への育児休業取得の勧奨
  3. 男性労働者の育児休業取得についての管理職向けの研修の実施

一番大きなポイントは、管理職からの育児休業取得の勧奨(すすめ)です。職場では男性社員が育休を取りたくても、「上司にそんなこと言えない、、」と遠慮している人が多数いるのではないでしょうか。

管理職自体が育休を取れば一番効果的かもしれませんね。男性の育休取得率は企業のホームページにも載せられるので、企業イメージも良くなることでしょう。

ちなみに上記の「資料等の周知」1.に関しては以下の厚生労働省のURLより資料(参考様式(男性育休周知リーフレット)[PPT形式:101KB])のテンプレートがダウンロードできます。そのまま使えば時間短縮になりますね。

仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主等のみなさまへ

②子の出生後に連続した育児休業を取得させる

①を実施した上で、事業主は男性従業員に対し出生後8週間以内に開始する連続する育児休業5日以上(中小企業以外は14日以上)を取得させなければいけません。

また、二人目以降の場合は以下のように5日だけではなく、14日以上、1か月以上と育休の期間によって助成される金額も異なります。

  中小企業 中小企業以外
1人目の育休取得 57万円 28.5万円
2人目以降の育休取得 a育休5日以上:14.25万円 中小企業と同じ
b育休14日以上:23.75万円
c育休1か月以上:33.25万円

③育児目的休暇の導入・利用

①②とは別に、育児目的の休暇制度を導入し、あわせて【育児休業を取得しやすい職場風土作りの取り組みの具体例】を実施した場合にも以下の助成金が支給されます。

  中小企業 中小企業以外
育児目的休暇の導入・利用 28.5万円 14.25万円

③の場合は対象となる育休の日数は出生後ではなく、子の出生前6週間~出生後8週間の内で合計して5日以上(中小企業以外の場合は8日以上)となります。

この助成金の場合、子の出生後8週間以内とは子の出生日当日を含む57日間を指します。例えば、男性従業員の子供が1月1日生まれの場合は前年の11月18日~、または出生後2月26日までに連続した5日以上を取得すれば助成の対象となります。

上記の図は出産する妻と子が生まれる夫の双方が育休を取得するスケジュールの例です。男性労働者は子が一歳になるまで(必要であれば最長2歳まで)は育児休業が取得できると育児・介護休業法により定められています。

④育休の制度について、就業規則と労働協約に規定する

この助成金に申請するには、事業所の育休制度について労働者に口頭やチラシで周知するだけではなく、きちんと法的な書面に記載されていなければいけません。

就業規則や労働協定を変更する場合、管轄の労務局へ申請し認められる必要があります。

⑤「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画を策定する

一般事業主行動計画とは、事業所が労働者の仕事と子育てを両立するためにたてる計画のことを言います。策定への相談や問い合わせは、以下のURLを参照してください。

厚生労働省|一般事業主行動計画の策定・届出等について

3.申請方法は?

①申請期限

要件を満たす場合、育児休業の開始日から数えて5日(中小企業以外は14日)を経過する翌日から2か月以内に申請しなければいけません。

(例)

【子供が1月1日に生まれる場合】

産後8週間以内(出生日を含む57日以内)に連続する5日間の育休を取得しなければいけません

→1月15日から19日まで5日間を取得したとすると、助成金の申請期限は1月20日から2か月以内となります。

②申請先

事業所の本社など人事・労務機能を有する事業所の所在地を管轄する都道府県労働局雇用環境・金東部(室)宛てになります。郵送の場合は、申請期間内に到着している必要があります。

③提出書類

提出書類は以下8種類の書類となります。

  1. 「両立支援等助成金(出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業))支給申 請書」(【出】様式第1号①②)の原本及び支給要件確認申立書(共通要領様式第 1号)の原本
  2. 労働協約または就業規則及び関連する労使協定(写)
  3. 男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取組の内容を証明する書類 及び取組を行った日付が分かる書類(写)
  4. 対象育児休業取得者の育児休業申出書(育児休業の期間が変更されている場合は 育児休業期間変更申出書)(写)
  5. 対象育児休業取得者の育児休業前1か月分及び育児休業期間中の就労実績が確認 できる書類(写)
  6. 対象育児休業取得者の雇用契約期間の有無、育児休業期間の所定労働日が確認で きる書類(写)
  7. 対象育児休業取得者に育児休業に係る子がいることを確認できる書類及び当該子 の出生日が確認できる書類(写)
  8. 公表及び周知が義務付けられる前に一般事業主行動計画が策定されている事業主 については、自社のホームページの画面を印刷した書類等一般事業主行動計画の 公表及び労働者への周知を行っていることを明らかにする書類

まとめ

中小企業の場合、5日間以上の育児休業を男性労働者に与えることで1人目の子供の場合は57万円が取得できます。生産性要件という特別な要件を満たすと、この金額は72万円となります。事業所にとってもこの助成金はメリットになりますし、たとえ5日間(本当はもっと長いことが望ましいですが)でも男性が育休を取ることは妻の側にも大きな安心につながるでしょう。