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H29年1月から加入対象拡大!企業が雇用保険料を安くする方法とは?

雇用保険は加入する働き手にとっては失業保険の給付などメリットがあるものですが、保険料を負担する企業にとっては税金のような存在です。

社会保険料を削減できるのであれば削減したいというのが経営者の本音ではないでしょうか。

しかも、雇用保険料の負担額はH29年の法改正により適用範囲拡大のため増大する可能性があります。

今回の記事では、雇用保険料の負担を企業が合法的に軽くするためのヒントをご紹介していきます。

1.雇用保険の加入条件と適用範囲拡大

雇用保険の加入条件をまず確認していきましょう。今までの雇用保険の加入条件は、以下の4つでした。

①1週間以上の所定労働時間が20時間以上

②31日以上継続して雇用される見込みである

③雇用保険の適用事業所に雇用されている

④65歳以上の労働者は雇用保険への新規加入不可

 

③番目については、個人事業主や会社の区別なく労働者を一人でも雇っている場合は対象となります。

H29年1月1日から雇用保険の適用範囲拡大により、上記の④が改正となりました。65歳以上の新規雇用の労働者も雇用保険に加入できるようになったのです。

なお、雇用保険は社会保険の一部であり、原則として雇用保険のみに加入することはできません。社員を雇用保険に加入させるということは、原則として併せて社会保険に加入させる必要があるのです。

雇用保険の適用範囲拡大が適用されるということは、企業がより多くの社会保険料を負担しなくてはいけないということです。

厚生労働省HP参照

2.雇用保険料の企業の負担額とは?

それでは、企業側が労働者一人につき負担する雇用保険料は一体いくらなのでしょうか?一般の事業であれば、保険率は6/1000(0.6%)、農林水産と清酒製造の事業は7/1000(0.7%)、建設業であれば0.8/1000(0.8%)の負担率となります。

※H30年3月31日まで

具体的に計算してみましょう。

Aさんは一般事業の会社にお勤めで、月給が20万円でボーナスはなしと仮定します。一般事業の保険率は0.9%で、本人負担額が0.3%、会社負担額は0.6%の内訳となっています。

Aさんの負担額:600円(20万円)×(0.3%)

会社の負担額:1,200円(20万円)×(0.6%)

月給20万円の従業員に対し毎月1,200円、年間では14,400円の負担です。これが100名だと1,440,000円となり、1000名であれば1440万円と非常に高額になります。さらに社会保険料も追加されることがありますので、企業の負担額は大きいですよね。

3.合法的に雇用保険料を安くする方法がある?

①短時間勤務の労働者を増やす

雇用保険の加入条件の①では、週の労働時間は20時間以上の労働と規定しています。単純に考えれば週に20時間以下の従業員には保険料を支払わなくてはいいことになります。

先の例であげましたAさんが週に40時間の勤務をしているのであれば、Aさんの仕事ができるBさんとCさんへ19時間以下ずつ仕事をシェアするという方法があります。

この方法は、アルバイトで十分できる内容の仕事や仕事量の場合は非常に有効です。

また、季節性の高い仕事の場合には、加入条件の②にある、31日以上継続して雇用という部分に注目しましょう。

つまり、雇用を31日以下にすれば保険料を負担せずに済みます。こちらは、デパート、スーパー、飲食店など季節限定イベントの際にアルバイトを雇い、社員には別の仕事を任せましょう。

②執行権を持つ役員を検討する

雇用保険の対象から役員は外されます。しかし、小売店の店長や工場長などは執行権を持たないため、役員ではなく従業員扱いとなります。

雇用保険料の計算は従業員の給与に負担額をかける方式ですので、給与が高くなればなるほど雇用保険料も高くなります。会社の負担額に影響する高額給与の従業員を、執行権つきの役員とすることで雇用保険料をカットすることが可能です。

③人材派遣会社を活用する

雇用保険はあくまで雇用する側とされる側で結ばれる保険ですので、人材派遣会社を通じて雇った従業員には雇用保険かけずに済みます。(人材保険会社が雇用保険料を負担します。)

その分高額な時給を払わなければいけなくというデメリットもありますので、総合的に考え雇用保険を払っても自社で雇った方が得策なのかどうか、検討する必要があります。

④出向者をうまく利用する

出向者とは、親会社から給料をもらいながら、実際の仕事は子会社で行うといったように給与の支払い先と働く場所が異なる働き手を指します。

出向者の場合、雇用契約と給与の支払い義務は親会社側にありますので、子会社側ではもちろん雇用保険料の負担はありません。ある程度規模の大きい会社でなければできない方法ですが、実際に多くの工場や企業で使われている方法です。

⑤給与を保険料の対象から外す

雇用保険料の計算は、従業員に支払う給与と賞与から計算するとお伝えしましたが、それ以外にも以下のような賃金が保険料の対象となります。

・超過勤務手当

・深夜手当

・休日手当

・扶養手当

・家族手当

・住宅手当

・通勤手当

これと逆に、雇用保険料の対象とならないものは以下のような一時金です。

・退職金

・結婚祝い金

・災害見舞金

・出張旅費

・宿泊費

・解雇予告手当

・会社が全額負担する生命保険の掛金

休日手当を結婚祝い金にするということはさすがに無理がありますが、賞与を退職金に組み込むということはできそうです。入社時の規定として、賞与の半分は退職金にまわします、といった内容をあらかじめ盛り込んでおけば、1名当たりの雇用保険料負担は半分で済みます。

まとめ

雇用保険料を安くする方法をご紹介致しました。社会保険料の負担は年々増加しており、雇用保険料についても高齢者の従業員が新規に加入できることになったため、企業の負担額の増大が見込まれます。企業にとってやりやすい保険料負担削減の方法を、この記事をヒントに模索して頂ければ幸いです。

社会保険に加入していれば、助成金の対象になる可能性が非常に高いです!

返済不要の資金調達方法である助成金を上手に活用して、社会保険料の負担をカバーできるように計画することをオススメします。

助成金を申請すればもらえる会社でも申請していない会社が多いので、助成金がもらえるかどうかをしっかり確認しておきましょう。