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企業が負担する健康保険料・厚生年金保険料を安くするための5つの方法とは

企業が従業員を抱えている以上、外せない経費の1つとして健康保険料・厚生年金保険料(=社会保険料)があります。税金のようなものなので、これ以上安くできないと特に対策を講じていない企業も多いのではないでしょうか?

社会保険料の支払いを削減することは、企業の経費を削減するだけでなく、働く従業員側も支払う額が減りメリットのあることです。今回の記事では、企業が支払う健康保険料と厚生年金保険料を安くするためのいくつかの手段をお伝えしていきます。

 1.そもそも社会保険適用の条件とは?

社会保険適用の条件をおさらいしましょう。現在(H29年4月)の条件は、以下となっています。

【条件その1】法人事業所である

株式会社や有限会社はもちろん、社団法人、財団法人なども法人事業所扱いです。

【条件その2】個人事業所であり、常時5人以上の従業員を使用している(例外あり)

例外ありとありますが、農林水産業・サービス業・弁護士などの士業、宗教業は社会保険加入が任意となります。

 

2.保険料はいくら会社が負担している?

健康保険料は会社と本人で折半しています。大雑把に言うと、対象給与の10%前後が社会保険料です。10%の折半ですので、会社と本人の負担金は5%前後ずつです。

例えば、月額20万円の給与であるAさんの社会保険料は10%計算ですと2万円です。10%の内訳は、会社5%で本人5%としましょう。これを会社と本人で折半しているので、会社負担は毎月1万円、本人負担(給与から差し引きされる)も同額の1万円です。

 

正確な健康保険料負担額は、対象の社員の給与と地域により異なります。東京の事業主負担は4.955%ですが、北海道だと5.11%(いずれも介護保険第二号被保険者に該当しない場合)と若干%が上がります。

いずれにせよ、平均的なところで従業員一人につき1万5千円~2万5千円程度は毎月負担していると考えてよいでしょう。

 

3.どうやって安くするか?

(1)健康保険に加入できない人を採用する

健康保険に加入できない人を採用すれば、その人数分社会保険料を削減することができます。健康保険に加入できない人とは、以下の人です。

 

  • 日々雇い入れられる人で雇用期間が1か月を超えない人
  • 契約期間が2か月以内の人
  • 季節業務的な事業で契約期間が4か月以内の人
  • 臨時的な事業で契約期間が6か月以内人
  • 事業所が所在地の一定しない事業に使用される人
  • 週の所定労働時間が正社員の3/4未満の人

 

この条件をヒントにシュミレーションしてみましょう。

例えば、会社AではBさんを新規で雇いましたが、契約期間を試用期間の2か月としました。この場合、試用期間中から社会保険に加入しなければなりません。

また、会社Cでは季節ごとにイベントを主催して洋菓子を販売しています。アルバイトDさんは、週に4日ほどアルバイトしていて月に10万円を得ています。しかし、契約は4か月ごとの期間で更新しているため、会社CもDさんも社会保険料の負担はありません。

以上、健康保険に加入できない人を採用とおすすめしていますが、平成29年4月から社会保険加入の条件が以下のように拡大しています。週の所定労働時間が正社員の3/4未満の以下の人でも、以下条件を全て満たせば必ず社会保険に加入する必要がありますので、ご注意ください。

 

  • ※週の労働時間が20時間以上の人
  • ※月の決まった賃金が88,000円以上の人
  • ※雇用期間の見込みが1年以上の人
  • ※学生ではない
  • ※従業員数が501人以上の会社で働いている
  • ※従業員数が501人以下の会社で働いていて、社会保険加入に対して労使で合意されている。

(2)採用する人の入社日、退職する人の退職日の調整をする

健康保険と厚生年金保険料は、対象従業員が入社した月から徴収されます。例えば、会社AにBさんが4月20日付けで入社しても、4月1日付けで入社しても同じ額の保険料を支払わなくてはいけないのです。

 

また、保険料がいつまで徴収されるのかについても、気を付けるポイントがあります。保険料は、退職日の翌日まで支払う事となっています。Bさんの退職日が8月31日付けであったとしたら、その翌日ですので9月1日分まで、つまり9月の保険料をまるまる1か月分徴収されるのです。これは会社Aにとっても、Bさんにとっても非常にもったいないことです。

 

入社日はできるだけ月初(1日~5日)にし、退職日はできるだけ月末の最終日手前(27~29日)頃に調整することで、無駄な保険料の支払いをカットすることができます。

 

(3)賞与の一部を退職金に回す

賞与には保険料の支払いが加算されますが、退職金には保険料はかかりません。これをヒントに、賞与の一部を退職金に回すことで、保険料の額を下げることが可能です。退職金は、勤続年数が長ければ長いほど、支払われる額も高くなるため、多くの企業では中小企業退職金共済制度などの積み立て制度を利用しています。

 

賞与の一部を退職金に補てんすることは、前もって従業員の規約に明記することが必要です。

 

(4)長期欠勤者の保険料支払いをなくす

長期欠勤者の場合でも、保険料の支払いの契約がなくなるわけではありません。長期欠勤の場合は、就業規則などで〇日以上の場合は傷病手当を支給する代わりに報酬をカットする、などのルールをあらかじめ定めておきましょう。

 

こうすることで、長期欠勤者へ給料の支払いと保険料の支払いという二重の支払いを免れることができます。

 

(5)役員を非常勤にする

原則、会社が社会保険・厚生年金保険の適用事業所に該当している場合、そこで働く従業員は被保険者となり会社は保険料を負担しなければなりません。

しかし、役員に対しては対象外です。厳密に言うと、役員でも常勤役員と非常勤役員の2種があり、非常勤役員に関しては社会保険の被保険者となりません。

 

この方法は、夫婦で会社を経営していて夫婦共に代表取締役の場合などに有効な手段です。妻を取締役から非常勤役員に変更し、夫の扶養に入るだけでかなりの保険料がマイナスとなります。

 

まとめ

会社が保険量の負担を減らす方法をいくつかご紹介しました。経費として毎月の負担となる保険料。会社のスタイルに合わせ、従業員と会社の負担にならぬよう上手に節約していきたいですね。