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特定求職者雇用開発助成金で被災者支援!被災者雇用助成金とは

平成23年(2011年)に起こった東日本大震災から丸6年が経過しました。その爪痕の影響力は大きく、原発事故の処理・被災者の居住・支援の継続など、いまだ解決できていない問題が多々あります。そんな中、被災者にとって被災後の生活を安定させる就職支援はいまだ重要です。

今回の記事では、東日本大震災による被災者を雇用した企業向けの助成金について詳しく解説します。設置から数年たっているため見落としがちな助成金ですが、名称や条件は変化しつつ現役の助成金です。復興の一助として、是非この助成金の活用を検討してみてください。

1.【東日本大震災】被災者雇用助成金の名称の変遷

東日本大震災の被災者雇用については、以前から助成金が充実していました。名称や条件は以下のように変化しています。

①成長分野等人材育成支援事業(震災特例)助成金

ネーミングには、(カッコ)で(震災特例)とあります。その名の通り、この助成金は成長分野等人材育成支援事業助成金という種類の助成金の特別版でした。成長分野等人材育成支援事業助成金の場合は、対象となる企業の事業分野は特定されています。

しかし震災特例として、東日本大震災の震災者の方を雇用する場合事業分野はなんでもいいですよ、とその後条件が緩和されました。

この助成金の支給要件には、「週20時間以上労働の労働者を継続して1年以上雇用」し「職務や事業に関連するOff-JT(職場外研修)を1コース以上行う」が条件でした。Off-JTは例えば、ホテル勤務の場合は他ホテルでの研修や経験者を講師とした研修などです。1コースにつき上限20万円までの助成でコース数は無制限だったため、例えば5コースx20万円=100万円、といった支給もこの助成金の時代には可能でした。

②特定求職者雇用開発助成金(別名:被災者雇用開発助成金)

この助成金は、平成27年4月30日までの1年以上の被災者雇い入れの場合以下のように高額な支給額でした。

  • ・短時間労働者・・・支給額60万円(中小企業事業主以外は50万円)
  • ・短時間労働者以外の者・・・支給額90万円(中小企業事業主以外は30万円)

しかし、平成27年5月1日から支給額は以下のように変更となっています。20~30万円の支給額ダウンです。

  • ・短時間労働者・・・支給額40万円(中小企業事業主以外は30万円)
  • ・短時間労働者以外の者・・・支給額60万円(中小企業事業主以外は50万円)

なお、この支給額は一括でもらえるわけではありません。半額を2期に分けて支給されます。

また、支給要件も平成26年4月1日までは被災地求職者も対象でしたが、同年4月2日からは被災地離職者のみに限定となりました。「仕事探してるよ~」という人は対象ではなく、震災がきっかけで就いていた職を辞めた方という縛りが増えました。

③特定求職者雇用開発助成金(別名:被災者雇用開発コース)

そして現在あるのは、この助成金です。名称を「~助成金」ではなく「~コース」と変更になりました。もらえる助成金額は同額です。名称変更と同時に制度変更などはありませんでした。

2.特定求職者雇用開発助成金(別名:被災者雇用開発コース)の概要

概要はこうです。「平成23年5月2日以降、東日本大震災による被災離職者や被災地求職者を、ハローワーク等の紹介により、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れる事業主(1年以上継続して雇用することが確実な場合に限る。)に対して、30万円~50万円が助成されます。」

ポイントは、ハローワーク等の紹介での雇用、そして1年以上継続して1週間20時間以上の労働者を雇い入れることが条件です。そのため、自社のHPなどからの募集は対象外です。

3.特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)の事業主の申し込み条件

その他にも、この助成金を申請するのは細かい条件がありますので、以下に書き出します。

【雇用関係の助成金をもらうための条件】

  • ①雇用保険適用事業所の事業主であること

  • ②支給のために必要な書類を整備・保管しており、提出できること

  • ③申請期間内に申請を行うこと

大前提として、厚生労働省から雇用関係の助成金をもらうのですから「雇用保険に入ってない事業主にはあげないよ」という縛りがあります。まあ、ほとんどの事業主であれば加入していると思うので、この条件は問題なくクリアできると思います。また、申請書類があるのも当然です。

【特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)をもらうための条件】

  • ①ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること

  • ②平成23年5月2日以降、雇用保険一般日保険者として雇い入れ、1年以上継続して雇用することが見込まれること

  • ③雇い入れ1年後の離職割合が50%以下であること(平成27年10月1日からの改正点)

東日本大震災の被災者を雇用する場合、ハローワークだけではなく他の民間の職業紹介事業者でも可能なので、とにかく紹介から雇い入れることが条件です。ハローワークであれば紹介料は無料なので、ハローワークでの人材募集がオススメです。

また、この助成金については「以前からいる社員なのに、いかにも後から雇用したように見せかけ」助成金を申請するという悪徳な不正受給も見受けられたようです。そのため、震災後の平成23年5月2日以降に雇い入れたと証明できる書類が必要です。

その他、最近の改正点として注目は雇い入れた労働者の離職率が高い事業主はこの助成金をもらえない、という離職率についても審査があるという点です。

 

4.雇い入れる労働者の条件

助成金を申請する事業主側だけでなく、雇い入れられる労働者側の条件を細かくみていきましょう。条件はもちろん、「東日本大震災で被災している」ことですが、その他以下のような条件があります。

  1. 東日本大震災発生時に被災地域で就業していた方

  2. 震災により離職を余技なくされた方

  3. 2.の離職後、安定した職業についたことのない方

東日本大震災のあとに定職につくことができ、その後の就職の場合はこの助成金の対象とはなりません。あくまで、震災後初の定職に対して与えられる助成金なのです。

5.申請の手続き方法

①ハローワーク等の紹介で被災者を雇用する

②ハローワーク等へ支給申請する

支給申請先は、管轄の労働局またはハローワークです。

③提出期限までに必要書類の提出をする

提出期限とは、支給対象期ごとに、それぞれの支給対象期の末日の翌日から起算して2か月以内を指します。

 

必要な提出書類は、以下となります。地域や事業主により、その他の書類が必要な場合もあります。

 

  • ・紹介証明書等
  • ・対象労働者雇入登録届 (被災者雇用開発コース)

 

詳細は、直接ハローワーク等に問合せしましょう。

6.助成対象外の8つの条件とは

この助成金はあくまで、震災後に定職につくことができない被災者救済と雇用保険対象者増加を目的にしています。また、雇用は出来る限り長期雇用を目指すものとされています。

そのため、以下の支給対象外の条件設け厳しく審査されています。要は、「過去に関係があった人を雇用するのはダメよ、家族や親族もダメよ。新規の採用者だよ。」ということです。また、助成金欲しさに形だけの雇用もしてはいけません。

助成対象外の8つの条件】

  • ①代表者などの3親等以内の親族の雇い入れ

  • ②雇い入れ前の過去3年間に3か月を超える実習・訓練などの実施をしていた場合

  • ③該当労働者を雇い入れる半年~1年前に事業主都合で労働者を解雇した事業主

  • ④基準期間内に事業主内の雇用保険被被験者を

  • ⑤対象労働者と当該事業主の間でハローワーク等から紹介を受ける前から雇用の内定があった場合

  • ⑥対象労働者と当該事業主の間で雇い入れ日の前日から過去3年間で、雇用・請負・委任・出向・派遣等の関係があった場合

  • ⑦対象労働者に賃金を支払わない場合

  • ⑧契約終結時と著しく条件を下げ、対象労働者が不利益を被った場合

 

まとめ

東日本大震災被災者で定職についていない方、また定職につきたい方はまだまだ存在します。少し条件が厳しいような見方もありますが、不正受給をせず新規の採用者を長期で雇用すればいいだけです。是非、ハローワークで募集をかける際には「被災者積極採用」という文言を入れ、被災者雇用に貢献しつつ助成金ももらってください。